金沢文庫 顕われた神々 - 月例講座「神像としての仏像」に参加してきました★
2018年11月16日~
金沢文庫で開催している展覧会「顕われた神々」
企画展に関連した月例講座「神像としての仏像」に参加してきました。
中世の日本において、神さまの姿がビジュアル的にどのように表現されたか?という、私にとって大変興味深い内容でした。
仏像だけど神像
神像だけど仏像
仏像みたいな神像
フライヤーの表紙にもなっているこちらの十一面観音さまは、仏像と神像の特徴が混在したような不思議なお像で、数年前に開催された白洲正子展でお会いしてからずっと気になる存在です。
私は、十一面観音さまのお姿を見たとき、頭上の化仏がのっぺらぼうなので驚きました。よく見ると衣もやけに平坦なので、この像は造り途中なのかな?と、思ったのです。
これは、日本の神の考え方を最も反映させたお像で、お姿をはっきり見せない神さまとしてぼんやり表した造形なんだそうです。同じ時代に造られた平安時代の神像に見られる特色とも一致します。
日本で十一面観音を本地仏として祀る神社は白山神社なので、おそらく…白山神社に祀られていた本地仏だったのではないかと考えられているそうです。
こちらの伊豆山神社に伝わる伊豆山権現立像は、保存処理が施される前は錆びで覆われていましたが、その錆びを除去したら鎌倉期の写実的なお姿であることがわかったそうです。
(図録より)
錆びるということは、木造ではなく銅で造られています。よく見てみるとところどころに薄っすら金色の部分があり金メッキが施されているのがわかります。
これは法隆寺の釈迦三尊像や飛鳥寺の飛鳥大仏と同じで技法で造られているとこになります。そう、金銅仏です!
神の姿を仏像と同じ技法で造っているということなんですね!
そして、この展覧会では神像の他にも描かれた神々がたくさん展示されていました。
最近じわじわと仏画にも興味が湧いているので、目をまん丸くして見学してしまいました(笑)仏画というか神さまですが…
中でも、社殿に本地仏や神さまをを配置した宮曼荼羅(春日、伊勢、八幡宮、富士)は見応えがあり、もっと詳しく知りたくもなりました。
実は、このような講座でお勉強をするのは初めてのことでした。「神像としての仏像」というタイトルに惹かれて思い切って申し込んでみたのですが、この類の講座は堅苦しい解説で難しいんだろな…と勝手なイメージを抱いていました。受講してみると全くそんなことはなく、先生は時より冗談を交えながらとてもわかりやすくお話をしてくださったのであっという間の90分でした。