長遠寺・東京都大田区「行基が鎌で彫り上げたと伝わる、その名も“鎌作り観音”」
2019年7月21日(日)
今月も仏像リンクのオフ会に参加してきました~!
1日2~3ヶ寺。
首都圏の仏像をぶらっと巡る企画で、その名も “仏像ブラ参り“ 初心者の方が気軽にお寺巡りができる、そんなオフ会です。
そんなわけで、今回は東京都南部の古仏を巡りました〜!
最初に訪問したのは、大田区にある長遠寺です。
長遠寺は数年前に仏像リンクの前身であるmixiコミュニティ“Sexy仏像&仏List”主催のオフ会で、お江戸の古仏を巡りまくった(笑)時に参拝したことがありました。
その時に十一面観音さまのお姿を見てからずっと忘れない存在だったんです。
一般には公開されていない秘仏なので、もうお目にかかる事はないだろうと思っていたのですが、仏像リンクで再会を果たすことができました!
長遠寺は真言宗智山派のお寺で、ご本尊は不動明王さまです。
不動明王さまは馬込不動として親しまれ、多摩川八十八ヶ所霊場や御府内八十八ヶ所霊場の札所となっています。
十一面観音さまは、もとは上大崎六軒茶屋町(現在の上大崎2丁目あたり)の光雲寺のご本尊さまでした。
あの行基さんが信州の山奥で霊感を受け、その時たまたま持っていた“鎌”を使って一刀三礼で彫り上げた…!という霊験あらたかなお像です。
十一面観音立像 通称「鎌作り観音」
(当日見せていただいた資料より)
■木造十一面観音立像(通称:鎌作り観音)
大田区指定文化財 / 像高84㎝ / 平安時代(10世紀ごろ)の作
現在は六臂のお姿ですが、もとは千手観音像として造られたと推測されています。
なぜ、元・千手観音像とわかるのか?それはやはり合掌している手があることです。
例外はあるかも知れませんが、一般的に合掌をしている観音像は千手観音さましかいないですよね!?
全体的に痛みが激しいようにも見える荒々しいビジュアルですが、私がこちらの十一面観音さまにお会いして特に印象深かったのは、下膨れた四角いお顔でした。
(当日見せていただいた資料より)
素朴な雰囲気なのですが、よく見ると鋭い目をしています。そして、だいたいの仏像のお顔はシンメトリーに造られているのに、こちらの十一面観音さまは目の高さが違ったり、鼻筋が少し斜めだったりと、個性をバンバン出していますね!
果たして本当に鎌で彫ったのか…?
そこはあまり深く考えないとしても、ただならぬオーラを放つ十一面観音像であることは間違いなし!
今回、念願の再会を果たして新たな発見もあり、そして何よりお忙しい中ご対応してくださったご住職さまと奥さまに感謝です。
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《長遠寺アクセス》
住所:〒143-0025 東京都大田区南馬込5丁目2-10
TEL:0337718490
拝観料:志納
アクセス:都営地下鉄浅草線「馬込」駅より徒歩10分
JR京浜東北線「大森」駅より東急バス「長遠寺前」下車 徒歩0分
通常非公開 / 団体のみ拝観可能(要相談)