福田寺・京都府京都市南区「めずらしいお姿の龍神像と古仏の雰囲気漂う二体のご本尊さま」

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2022年3月

子連れ見仏京都編

もうすぐ4歳児と6歳児を連れてワンオペ京都旅をしました〜!

1日目:西福寺蟹満寺→寿宝寺→福田寺(南区)

2日目:法界寺→醍醐寺→京都鉄道博物館→東寺→観智院

3日目:西念寺(下京区)→清和院→大将軍八神社→福田寺(下京区)

この日は巡礼プロこと右京さんのアテンド!

 

………

 

寿宝寺の千手観音さまを参拝した後は、京都市内の福田寺に向かいました。

近鉄京都線で三山木駅から竹田駅まで向かう車内で4歳児が爆睡してしまい、竹田駅から担いでバスに乗る事になりました。これはなかなか過酷な見仏だ〜!

 

到着すると、可愛らしい鬼瓦がお出迎えしてくれました。どこかのお寺で見た事があるような?初めまして…ではない感覚でした。

 

 

寺務所を訪ねるとご住職がいらっしゃって、本堂のお隣に建つ龍神堂を開けてくださいました。

 

中へ入ると、中央に龍神さまがいらっしゃるお厨子がありました。お堂に足を踏み入れた瞬間、そのめずらしいお姿が目に飛び込んで来ます。

 

 

おぉー!

これがホンモノ!

実際にお会いする前にSNSやテレビでお姿をよく見かけていたので、ホンモノに会えた!という感覚でした。あの「見仏記」にも登場する有名な龍神さまです!

 

龍神さまは雨乞いの神として古くから信仰されていますが、文化財としては、木造夜叉形跪坐像(もくぞうやしゃぎょうきざぞう)というお名前です。兜跋毘沙門天さまの脇にいらっしゃる2体の鬼、毘藍婆または尼藍婆であった可能性が高いと言われているそうです。

 

雨乞いの神として信仰されている龍神像

■木造夜叉形跪坐像(もくぞうやしゃぎょうきざぞう)

京都市指定文化財 / 像高約60cm / 平安時代前期にまで遡り得る夜叉形の古例として貴重な作例

 

臂釧やふんどし以外は何も身につけておらず、ほぼ裸のお姿です。ふんどし一丁で立膝をし、両手を握りしめ、口をへの字にして目をギョロつかせています。一見怖くもありますが、しばらく見ているとどんどん愛着が湧いてきて…「すき!」と、なってしまいました(笑)

 

そして、龍神さまのお隣には、これまためずらしいお像がありました。

 

お釈迦さまが生まれる瞬間!?

 

これは摩耶夫人の出産シーン…!?

よく見てみると、摩耶夫人の脇の下からお釈迦さまが生まれる瞬間ではないですか?脇の下から真っ逆さまに落ちてしまいそうでちょっと心配ではありますが、プリっとした可愛いお釈迦さまのお尻も拝むことができます。これははじめてお目にかかる摩耶夫人像でした。

 

次に本堂を参拝しました。

福田寺のご本尊さまが二体お祀りされています。

向かって右に釈迦如来さま、左にいらっしゃるのは地蔵菩薩さまです。

 

 

こ、これはーー!!

 

古仏の匂いがプンプンします!

 

量感のあるお身体にY字の衣文そして渦文まで!

 

専門家ではないので正確にはわかりませんが、平安時代前期〜中期くらいの古い立像の仏さまによく見られる特徴があるように感じました。

 

でも、なんだか地方仏っぽいというか、都の仏さまにはない独特な雰囲気があり、ますます興味津々です。

 

古仏の雰囲気漂う二体のご本尊

 

「ご本尊さまは古いお像ですか?」と、興奮気味にご住職に訪ねてみると「仏像が好きな方は皆さんこちらのご本尊さまに興味を持たれます」と…!

 

専門家の先生方が調査をしたところ、おそらく釈迦如来さまは平安時代中期ごろ、地蔵菩薩さまは10世紀ごろではないかという事ですが、後世に修復したところがかなりあるらしく、昨年代については断言はできないそうです。

 

のれんがある関係で、正面からお像の全貌をお拝めないところがまたイイ!

 

めずらしい龍神さまに始まり、ちょっとミステリアスなご本尊さままで終始興奮気味のお参りとなりました。

ご住職さまには、とてもご親切にご案内していただきました。ありがとうございました。

 

《福田寺アクセス》

住所:京都市南区久世殿城町5番地

TEL:075-931-2887

アクセス:JR向日町駅下車、徒歩10分

京都市営バス「中久世」下車徒歩2分

拝観料:志納

※拝観には問い合わせが必要です

公式サイト:http://www.fukudenji.com

stoic-butsuzo

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