黒田観音寺・滋賀県長浜市「この観音さまは一体何者なのか…?やっと会えた!黒田の千手観音さま」
長浜・湖北!と聞いただけで興奮して鼻血が出そうになる仏像ファンは多いはず…!
2014年は湖東三山のご開帳もあり、多くの人が滋賀県に足を運んだのではないでしょうか?
滋賀県は何度訪れても訪れても訪れても訪れても訪れても…奥が深く、近江仏にどっぷりハマってしまいますよね。
そんな中、藝大美術館で開催されていた「観音の里の祈りとくらし展−びわ湖・長浜のホトケたち」には、多くの観音さまが東京にいらっしゃいました。
しかし、私は行くタイミングを逃してしまったんですよ…涙
それならば、観音の里にお帰りになった観音さまたちに会いに行くしかない!と言うことでいざ滋賀へ出陣!
最初にお会いしたのは木之本町にある黒田観音寺の観音さまでした。
こちらの観音さまは展覧会には出展されていなかったと思いますが、「観音さまにお会いして涙が出た」という友人の話を聞いて、ずっとずっとお会いしたいと思っていました。
NHK大河ドラマ“軍師官兵衛”の放送もあり、この地域は黒田氏発祥の地としていつもよりちょっと賑わっている様子でした。黒田観音寺の近くを散策する「官兵衛ファン」らしき人々の姿もありました。
お堂を訪ねると、世話方さんが早速鍵を開けてくださいました。
すると、お厨子の中にずっとお会いしたかったあの観音さまのお姿が…!
うおおおお!
むっちりとした脇手が魅力的な伝千手観音立像
■伝千手観音立像
国指定重要文化財 / 像高199cm / 平安時代(9世紀)
観音さまの第一印象は、大変失礼ながら「怪しい観音さまだな・・・」と思いました。
男性的かと思えば、妖艶なオーラもあり、この観音さまは一体何者なのか…?人間で例えると、素性が分からないミステリアスな人、という印象です。
世話方さんがお堂の明るさを調節して、観音さまが見せる表情の違いを教えてくださいました。
薄暗いお厨子の中では、とても穏やかで優しいお顔をされています。
しかし、明かりをつけると一気に表情を変え、鋭い目つきになり厳しさが見え隠れ…
頭上に十一面がない事と、合掌をしているのではなく説法印を結んでおられる事、脇手が18臂ある事から、千手観音さまではなく本当は准胝観音さまであると言われているそうです。そもそも、准胝観音さまにあまりお会いした事がないので、あー…確かに千手観音さまと違うかも?と、思うくらいであまりピンとは来ませんでしたが(汗)
18本の手に注目してみると、赤ちゃんのようにふっくらとしていて、大きな母性で包み込んでくれそうでした。
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《黒田観音寺アクセス》
住所:〒529-0426 滋賀県長浜市木之本町黒田1811
アクセス:JR木ノ本駅よりタクシーで5分、北陸自動車道木之本ICより5分
拝観料 : 500円
問い合わせ : 0749-82-5909(奥びわ湖観光協会)
※拝観には問い合わせが必要です。
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
私の仏像拝観趣味は、黒田観音寺の観音様のお姿を拝んだことが始まりです。
今年のGWに木之本へ行って、駅の近くの駐車場に車を置いて街をそぞろ歩きした後、駅の中の観光案内所で貰ったパンフレットにそのお寺が載っているのが目について、案内所の方に予約の電話を入れてもらってそこへ行きました。
観音様の力強さと優しさなどを兼ね備えた不思議な様子に感激したほか、1000年も地元の方などに維持されてきたことにも感心して、それでいきなり仏像趣味に火が付きましたね。
話は逸れますが、黒田観音寺からの帰りに国道で渡岸寺観音堂の看板を見て行ってみたとはいえ、拝観時間終了後で残念でした。8月3日の『観音まつり』で渡岸寺の十一面観音様にお会いできてよかったのですが、巡回バスであちこち回っていたので十一面観音様のお姿をじっくり拝んだわけではなく、観音堂の再訪では十一面観音様をじっくり拝みたいですね。
黒田観音寺の観音様にお会いしてしばらくしてから、5月中に地元岐阜の横蔵寺で深沙大将や十二神将にお会いして、ますます仏像拝観熱が強まり、それ以来三井寺や善水寺、金剛輪寺などほかの滋賀のお寺へも、福井の若狭にあるお寺へも、仏様にお会いに訪ねるようになりました。