龍眞寺 西光寺・埼玉県上尾市~伊奈町「美しい宝冠釈迦如来像と平安後期!趣のある阿弥陀如来坐像」

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2020年2月のブラ参りは埼玉仏巡り! 埼玉県北部の行田市まで足を延ばしました!


 

午前中は2月22日にご開帳される天洲寺の聖徳太子像
を参拝し、上尾市の龍眞寺と伊奈町の西光寺を参拝しました。


 

上尾駅からバスに乗り、最初に訪れたのは龍眞寺です。

龍眞寺は、菅谷山龍眞寺という曹洞宗のお寺です。この地域で活躍した喜翁悦という僧侶が創建したと言われています。


 

本堂におられるのは釈迦三尊像。

釈迦如来さまの両脇に小さな文殊菩薩さまと普賢菩薩さまがいらっしゃいました。


 

美しい宝冠釈迦如来像

■釈迦三尊像
上尾市指定有形文化財 / 中尊:釈迦如来像高34.5cm、向かって右:文殊菩薩像高16.8cm、左:普賢菩薩像高16.6cm /
1718年10月25日 檀家の北川利右衛門が奉納


 

髪を高く結い上げたヘアスタイルに煌びやかな宝冠をかぶり、禅定印を結ぶ優美なお姿。

宝冠をかぶりアクセサリーも付けているので、 一見、菩薩像のように見えますが、華厳経で説かれている毘盧舎那仏が宝冠を被っており、毘盧遮那仏と釈迦如来が同一であるということから、宝冠釈迦如来像が造られたそうです。


 

ここ最近は、このようなディテールまで繊細に造られたお像を拝む機会がなかったので、飛び込み、接合するように魅入ってしまいました。


 

釈迦三尊像の両脇には、曹洞宗のお寺などでよく見られる達磨大師さまと遠くを眺めるお姿の招宝七郎大権修利菩薩さまがいらっしゃいました。


 

■招宝七郎大権修利菩薩倚像
上尾市指定有形文化財 / 像高38.2cm / 1793年 江戸時代

■達磨大師坐像
上尾市指定有形文化財 / 像高33.6cm / 1793年 江戸時代


 

この2体は1793年の江戸時代に七条仏師左京方が造立したことがわかっています。七条仏所は京都の七条にあった慶派仏師の工房なので、京都で造立されたという事ですね!


 

そして、欄間の彫刻の立体感がすごーい!


 


 

ラストは伊奈町の西光寺です。西光寺までは徒歩で向かいました。

伊奈町のホームページに掲載されている優しい阿弥陀様来さまのお姿を見て、ずっと前からお会いしたいと思っていました。


 

西光寺の阿弥陀如来さまは、元は別のお寺のご本尊さまでしたがお堂が焼失してしまい、阿弥陀如来さまをお祀りするために西光寺が建てられたと言われています。


 


 

西光寺の歴史は古いですが、複数のお寺の住職を兼務する体制が続いていたそうで、先代のご住職さまがはじめて在中するご住職さまとなられたのだとか。


 


 

お堂に入ると、お厨子の中に古めかしい阿弥陀如来さまのお姿が見えました。

埼玉の小さなお寺に譲ると思わない堂そのまました佇まい!


 

平安時代後期の特徴がよく表れた優しい阿弥陀如来坐像

■木造阿弥陀如来坐像県
指定有形文化財 / 像高107cm / 平安時代の後期作(12世紀)


 

お像と台座の間隙間が空いていて右側に少し傾いてしまっています。大切にお守りして来たからだとご住職がおっしゃっていました。


 

阿弥陀如来さまは、昭和47年(1972年)に埼玉県指定有形文化財に指定されたのですが、文化財指定に至るエピソードが実にドラマティックなものでした。


 

地元の女子高校生が部活でこの旅のお寺を訪ねて仏像などの課題を研究していたそうなのですが、西光寺の阿弥陀如来さまについて書いたレポートが専門家の目とまり、はじめて本格的な調査が入ったそうです。

しかも、その時の調査で無指定から埼玉県指定の文化財になったそうです。 それまではお檀家さんや地元の人以外の目に触れる事がなかった阿弥陀如来さまが、女子高校生の熱心な部活動によって埼玉県全体へ知られるようになったという胸熱エピソード…!


 

そんな部活があったら私も入りたかったです(笑)

《龍眞寺アクセス》

住所:埼玉県上尾市菅谷2-114

TEL:048-775-4078

拝観料:志納

アクセス:上尾駅東口から朝日バス(羽貫駅前 羽貫駅前行)須ヶ谷庚申前下車徒歩3分

※拝観はお問い合わせが必要です。

《西光寺アクセス》

住所:埼玉県北足立郡伊奈町小針新宿463

拝観料:志納

アクセス:埼玉新都市交通伊奈線(ニューシャトル)「内宿駅」より徒歩10分

※拝観はお問い合わせが必要です →
伊奈町役場生涯学習課文化財・町史係


stoic-butsuzo

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