薬師寺東京別院 • 東京都品川区「薬師寺の文化財保護展に行ってきた!」

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五反田にある薬師寺東京別院で2011年2/26~3/6まで公開されている「薬師寺の文化財保護展」に行って来ました。

 

修復により美しいお姿に戻られた仏さまや経典、そして平山郁夫さんが奉納した散華など様々な展示がされており、とても充実した時間を過ごす事ができました。

薬師寺東京別院を訪問するのは今回がはじめてでした。お寺…というよりは豪邸の様な建物です。

 

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2Fの本堂へ入ると本尊の薬師如来さまが一番に目に飛び込んで来ました。須弥壇へ近づいて行くと脇には吉祥天さまと千手観音さまが祀られていました。その他、ガラスケースに収められた聖観音と千手観音…計5体の仏さまがいらっしゃいます。

 

メモを取り、じーっと薬師さまを見つめていると、運良くその場にいたお坊さんが一体ずつ解説をしてくださいました!

 

本尊 薬師如来坐像

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ご本尊の薬師如来さまは鎌倉時代、像高8787cmのほぼ等身大の像です。全体に木目の浮き上がるお姿が印象的でしたが、元は彩色が施されていたそうです。玉眼ではなく彫眼で表現されているお顔の表情がとても穏やかで、笑みを浮かべているように見えました。

 

薬師さまの右隣には平安時代後期の吉祥天さまがいらっしゃいます。像高112.5cm、頭部、手先、沓先が復元されており「本当はダメなんですけど…」と言いながら、挙げている右手を動かしてくれました(笑)

 

お顔の表情なども作年代から想像して造られたそうですが、キリッとしたクールビューティといった雰囲気を持つ吉祥天さまです。重ね着で垂らした袖口の曲線も美しくとても印象に残る像でした。

 

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そして左側にいらっしゃるのは鎌倉時代中期の十一面千手観音さまです。

頭部は後頭部だけ残り、手も三臂しか残っていなかったそうで、復元する際に京都の三十三間堂の十一面千手観音さまを参考にしており持物も同じだそうです。

 

復元された四十二臂の手の後ろに、板一枚にびっしりと彫られた千手の手を背負っておられました。これは全国でもあまり例のない珍しいものだそうで、正面から良く見えるように合わせ鏡が置いてありました。「この鏡は僕の私物です」と僧侶がおっしゃってましたが(笑)

 

そして、ガラスケースに収められた二体は像高50cm前後の聖観音さまと千手観音さまです。まずは聖観音さまから拝観していきます。

 

これまでは江戸時代作の十一面観音と考えられて来ましたが、材質鑑定をしたところ平安時代の檜による一木造の像で、しかも聖観音である事が解ったそうです。

 

解説して頂いたお坊さんのお話によると、おそらくこの像は平安時代に造られましたが、江戸時代にはすでに壊れていて、当時は十一面観音ブームだったので修復の際に十一面観音にしたのではないかと…

 

そして新たに復元したお姿は、丸いお顔とむっちりとした手足をしています。これは平安時代独特の雰囲気を意識したそうです。赤ちゃんのように丸々とした聖観音さまでした。

 

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最後は鎌倉時代の千手観音さまです。

肘まで垂れ下がった美しい宝冠と立体的に表現された四十二臂の手が印象的な千手観音さま。

 

「この千手観音はどの部分が復元されたのでしょう?」と言う質問に対して「宝冠と千手の手」と答えたのですが…やはり四十二臂の脇手は復元されたものでしたが、宝冠や首飾りはそのままのお姿で発見されたそうです。手は失われていたのに、ビーズの装飾はそのままだったとは驚きです。

 

文化財としてはそのままのお姿で保護をするのが望ましいのですが、仏像も人間と同じでケガをしたら治す、手術をする…お化粧も崩れたら放置してそのまま過ごせないでしょ?と、お坊さんがおっしゃっていました。

 

研究者や職人の手によって復元された仏像が再びこうしてお祀りされる…その像の前で手を合わせる人々によってまた仏像に魂が吹き込まれて行くんだなぁ…と、そんな事を考えながら最後に一体ずつ手を合わせて帰ったのでした。

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《新薬師寺東京別院アクセス》

住所:〒141-0022
東京都品川区東五反田5丁目15-17
TEL:03-3443-1620
アクセス:五反田駅徒歩5分


stoic-butsuzo

2件のフィードバック

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    今回の地蔵菩薩も独創的ですね。普通、半跏坐の脚は蓮台の外から垂らすのが一般的。変わっていていいですね。
    大日如来は智拳印を結んでいるいるのが金剛界、法界定印を結んでいるのが胎蔵界と聞いていますが、まだ、私は智拳印しか見たことがありません。

    この界隈は「大仏師・高村光雲」の地元で、上野から浅草方面にいくと、潰れかかった営業してそうもない店構えで「光雲堂」という彫刻刀の専門店が昔ありました。今でもあるのかな。
  2. SECRET: 0
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    y.UNOさん

    やはりあのお地蔵様の足は珍しいのですね!
    観ていて違和感があったんです…そしたら足が蓮台にめり込んでいました(笑)

    あの界隈は歩いてるだけでも昔の風情を感じられて良かったです。もう少し暖かくなったらまた下町散歩したいです♪「

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