西楽寺・静岡県袋井市「本坊には薬師三尊さまと不動明王さまがいらっしゃいました!」
2012年1月
静岡県袋井市西楽寺の続きになります。
前回の記事では、本堂にいらっしゃる阿弥陀三尊さまや堂内の煌びやかな装飾と天井画など紹介させていただきました! → 長岳寺とほぼ同時期に造られた玉眼の阿弥陀如来さま
本堂を参拝した後は、少し離れた本坊へ移動しました。
本堂から本坊までは長閑な風景が広がる一本道でした。なぜ境内から少し離れた所にあるのかというと…
西楽寺は江戸時代に最も栄えて、それはそれは大きな規模のお寺だったそうです。
ここが長ーい200mくらいの参道だったという一本道。参道の始まりには大きくて立派な総門もあったそうです。現在では民家や畑に姿を変えていますが、周りにはいつくもの小院が建ち並んでいたのでしょうね。
さて、本坊に到着!
本坊には、薬師堂からお引越しされた平安時代の薬師如来さまと、日光・月光菩薩さまがいらっしゃいます。
薬師如来さまは等身大くらいの仏さまで、とても穏やかなお顔をされています。
■薬師如来坐像
静岡県指定文化財 / 像高84cm / 平安時代後期
脇侍の日光・月光菩薩さまはご本尊さまよりも大きくて古めかしい雰囲気です。脇侍の仏さまの方が大きいというのはあまり見た事がありません…これは、ご本尊さまと脇侍が一緒に造られたのではなく、もとは別の上司と部下がいたのでしょうか?
上からのれんのように布が垂れていて、日光・月光菩薩さまのお姿がよく見えなかったので、近くでじーっと覗き込んで拝ませていただきました。
そして、もうひとつのお部屋は不動明王さまが4体いらっしゃるという素敵空間でした!
中央にいらっしゃる不動明王さまは、奈良の大仏さまと同じ鋳造りお像です。
■不動明王立像
袋井市指定文化財 / 像高129cm / 宝永7年(1710年)
こちらの不動明王さまは、301年前の富士山噴火で犠牲となった方々の慰霊のために造られました。
全体的にバランスが整いスタイル抜群で、肌質がつるっとした美しいお不動さま…300年も昔に造られたという事を感じさせない質感です!いつまでも古びないのが鋳造りの魅力ですよね。
そして右端にいらっしゃる小さなお不動さまは運慶の様式とよく似ており、学者さん達の間で注目度が高いんだとか!?確かに、神奈川・浄楽寺や静岡・願成就院にいらっしゃるお不動さまと似た様式…かも!?
本堂には阿弥陀三尊さま、本坊には薬師三尊さまがおり、その他にの大勢の仏さまがいらして、西楽寺はとても見応えのあるお寺でした。ご住職に代わって、ご親切に案内をしてくださった奥さまにも感謝です!
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《西楽寺アクセス》
住所:〒437-0122 静岡県袋井市春岡384
TEL: 0538-48-6754
拝観料:志納
アクセス:JR袋井駅からバス『可睡、森町、山梨』方面行きに乗車約20分『月見町』下車、徒歩10分
※拝観には問い合わせが必要です。