浄楽寺・神奈川県横須賀市 「プロフェッショナルの流儀!運慶仏発見までのエピソードを教えていただきました」

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ブラ参り(三浦半島の仏像)

2018年11月11日
仏像リンク主催 “仏像ブラ参り”

この日、最後に訪問したのは“運慶の仏像”で知られる浄楽寺です。雨の日は拝観ができないと言われていたので当日までずっとお天気を心配していましたが、11月にしては暑いくらいのスッキリとした青空で本当によかったです!

浄楽寺は、今回で3度目の訪問となります。 前回の記事はこちら(2010年10月)

地元のボランティアガイドさんに案内していただき、先ずは郵便の父こと前島密のお墓を見学しました。富士山を形どった西洋風のお墓で、戒名や墓碑銘もありません。明治大正の時代にこんな発想があるとは驚きです!

浄楽寺(神奈川)②(パンフレットより)

浄楽寺は鎌倉・材木座にある光明寺の末寺で、和田義盛がこの地域に7つの阿弥陀堂を建立したと言われており、浄楽寺はその阿弥陀堂のうちのひとつであると伝わっています。(和田義盛は三浦義明の孫にあたる人物です。)

浄楽寺(神奈川)③

そんな浄楽寺は神奈川県が誇る古刹!なんと・・・運慶の仏像が5体もあるのです!その5体の仏像は、和田義盛が1189年に運慶に制作を依頼したものです。

北条時政が、それよりも早く運慶に仏像をつくらせ伊豆・韮山に願成就院を建立したことへの対抗心から、和田義盛も運慶に依頼したとも言われています。

今回は、そんな浄楽寺の諸仏が、運慶の手による仏像であることが判明したエピソードを聞くことができました。

浄楽寺(神奈川)①

本堂の裏手にある収蔵庫に、5体の運慶の仏像がいらっしゃいます。

中央に阿弥陀三尊さま、向かって右手に不動明王さま、左手には毘沙門天さまがいらっしゃいます。

運慶仏発見のきっかけとなった毘沙門天さまと不動明王さま

浄楽寺(神奈川)毘沙門、不動(ポストカードより)

■毘沙門天立像
国指定重要文化財 / 像高140.5cm / 鎌倉時代

■不動明王立像
国指定重要文化財 / 像高135.5cm / 鎌倉時代

仏像研究家の久野健さんが浄楽寺を調査していたところ、毘沙門天像さまの頭部を首から抜き、その胎内に銘札が納入されているのを発見!!その銘札には、“文治5年に和田義盛と夫人小野氏を願主に運慶が作った” と、記されていたそうです!運慶が10人の弟子を率いて造立したことも判明しました。

そして、不動明王さまにも同じ銘札が入っていることがわかり、これにより、関東地方には運慶の仏像がないと言われていた定説が覆されました。

運慶が10人の弟子を率いて造立!

浄楽寺(神奈川)阿弥陀三尊(ポストカードより)

■阿弥陀如来坐像
国指定重要文化財 / 像高141.8cm / 鎌倉時代

■勢至菩薩(向かって左)観音菩薩(向かって左)
国指定重要文財 / 像高:勢至菩薩177.1cm、観音菩薩:像高178.8cm / 鎌倉時代

しかし、阿弥陀三尊さまの胎内にはそのような銘札は発見されず・・・・

ところが、胎内に梵字が書かれていたのです!それが毘沙門天さまと不動明王さまの銘札に書かれている内容と一致してることがわかり、阿弥陀三尊さまも運慶の手による仏像であることが確定したそうです。

しかし、どうやって胎内に書かれた梵字を読むことができたのか?

仏像の胎内に鏡を吊るし、その鏡に映る梵字を確認しながら、とにかく色々な方向の写真を撮ったそうです。それを現像してつなぎ合わせて梵字を解読したのだとか!スゴイ!そんな手段があるとは・・・これぞプロフェッショナルの流儀!

こうして、浄楽寺にカリスマ仏師 運慶の仏像があることがわかったんですね~!!!

確実に運慶が関わった仏像は31体ある(※諸説あります)といわれていますが、そのうちの5体が存在するというのは大変貴重なことですね!

《浄楽寺アクセス》

住所:神奈川県横須賀市芦名2-30-5
TEL:0468-56-8622
拝観料:400円、ボランティアガイド付き500円、特別開帳時200円~
アクセス:JR逗子駅または京急新逗子駅からバス 浄楽寺下車すぐ
※3月3日、10月19日ご開帳 その他の日にち相談、要予約
※雨天拝観不可

公式サイト:https://www.jorakuji-jodoshu.com/

stoic-butsuzo

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