小山寺(富谷観音)・茨城県桜川市「秘仏の鉈彫十一面観音坐像に仕える毘沙門天と不動明王」

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2019年11月仏像部 茨城遠征の続きです。
妙法寺の参拝を終え、同じ桜川市内の小山寺(富谷観音)へ向かいます。

妙法寺からは車で15分ほどで到着。
小山寺は富谷山(とみやさん)の中腹あたりにあります。

お寺の近くには「富谷山ふれあい公園」があり、公園の展望台からは桜川市を一望できるそうです。お天気の良い日は筑波山や富士山まで見渡せるのだとか。

車をとめて駐車場からいちばん近い入り口を入ると、関東より北では最古とされている三重塔が見えました。木々に囲まれて冷んやりとした境内に建つ三重塔は、ひときわ神聖な雰囲気でした。

 

 

こんな光景を京都あたりで見たことがあるような?ないような?

とにかく立派な三重塔に出会いました。

富谷観音は正式には「施無得畏山宝珠院小山寺」と言います。735年に聖武天皇の勅願によって行基菩薩が丈六の鉈彫十一面観音菩像を彫り、ご本尊として開創したと伝えられています。

 

 

なんですって!?

丈六で鉈彫!?

しかも坐像の十一面観音さまらしいのです!

わぁ~・・・とっても気になってしまいますが62年に一度しか御開帳されない秘仏(涙)一体御開帳は何年先になるのでしょうか?

本堂に案内していただくと、中央には秘仏の十一面観音坐像さまの閉ざされたお厨子があり、御前立の十一面観音さまと薬師如来さまがいらっしゃいました。

そして、向かって左手に毘沙門天さま、右手に不動明王さまがいらっしゃいます。

 

 

毘沙門天さまはかなり強面の憤怒相です。

屈んで視線を合わせると物凄い目力で睨みつけられます。怖い~!

両目を見開きこちらを睨みつける毘沙門天さま

 

 

室町時代初期に造られたそうですが、鎌倉時代の様式を受け継いでいるようなお姿でした。

 

■毘沙門天立像
茨城県指定文化財 / 室町時代初期

 

不動明王さまは、自伝では平安時代後期の作とされています。全体的に動きが少なめで素朴な印象を受けますが、こらもお顔を見ればけっこう怖い!

 


ふんわりヘアーの不動明王さま

■不動明王立像
茨城県指定文化財 / 像高126cm / 平安時代後期

 

 

こちらの不動明王さまは髪型が個性的です。前髪だけくるりんとカールしていて、後ろはオールバックになっています。多くの総髪の不動明王さまは左耳前に弁髪が下がっていますが、こちらの不動明王さまには弁髪がないので(別材でとれた??)個人的にはふんわりヘアーのマダムのように見えてしまいました(笑)

 


鉈彫りの大作!2mの聖観音坐像

 

観音堂に移動すると、そこには秘仏の十一面観音さまのお写真がありました。
お顔全体にノミ跡があるのがわかりますね。

鉈彫りということは一木造のお像でしょうか?坐像で像高が2mもあるそうなので、実際にお姿を拝むことができたらその大きさに圧倒されるでしょうね・・・いつの日かお会いできることを願います!!

《小山寺・富谷観音アクセス》

住所:茨城県桜川市富谷2190
TEL:0296-75-4440
拝観料:志納
アクセス:JR水戸線岩瀬駅から徒歩約51分またはタクシーで10分、桜川・筑西IC10分
※拝観には問い合わせが必要です。

stoic-butsuzo

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