日向薬師宝城坊・神奈川県伊勢原市「神奈川の仏像ワールド★ 鉈彫の薬師三尊!向かい合う丈六如来!」

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2011年4月15日
この日は、日向薬師宝城坊の本尊薬師三尊さまの年度最後のご開帳という事で、ちょうど仕事がお休みだったので行って来ました!

毎年4月15日は大例祭が開催され、「神木のぼり」や「火渡り」などが行なわれるそうです。今年はそれと同時に、傷みの進む宝城坊本堂の解体修理が始まるそうで、解体直前の内部見学会が行なわれていました。

伊勢原駅からバスで20分。景色はどんどん閑静な田舎の風景になっていきます。

s-バス停から

バス停で降りると、そこはさらに長閑な風景が広がっていました。遅咲きの桜と新緑の混ざり合った山々を眺めながら長い参道を歩きます。

s-山々

長い階段を登ると仁王門。

s-山門

s-仁王

仁王門から境内までは緩やかな山道をハイキング気分歩き、ますます気持ちが高ぶります♪

s-山道

山道を登りきると、境内にどーんとそびえる宝城坊本堂が見えてきました!

s-お堂

赤と黒を基調とした本堂。
天井や柱には沢山のお札が納められています。

s-hashira.jpg

内部は何もない状態ですが、ここに華やかな須弥壇があり大勢の仏さまが祀られているお姿を想像しながら見学を楽しみました。

s-naka.jpg

仏さまはお隣の宝物殿にいらっしゃるようなので、人混みをかき分けて宝物殿に移動します。

ご開帳されているお厨子の中に、薬師三尊さまがいらっしゃいました。そのまわりは四天王さまが取り囲み、さらに十二神将さまが並んでいました。

“鉈彫り”の穏やかな薬師三尊像

(仏像 一木にこめられた祈り展 図録より)

■薬師如来 脇侍像(薬師三尊像)
国指定重要文化財 / 像高 薬師如来:116.6cm 日光菩薩:123.3cm 月光菩薩 123.9cm / 平安時代後期

まずはご本尊の薬師三尊さまをじっくり拝観します。平安中期の作で“鉈彫り”の薬師三尊さま。鉈彫りの荒々しさはなくとても穏やかでした。

(仏像 一木にこめられた祈り展 図録より)

全身にわたり鉈彫りが施されている日光菩薩さまと月光菩薩さま

(仏像 一木にこめられた祈り展 図録より)

ノミの目を残した彫口が光の加減によって様々な表情を見せるのは鉈彫り仏の魅力ですよね。

そんな穏やかな三尊像とはうって変わって、四天王さまや十二神将さまはいずれも鎌倉前期の作で力強さたっぷりです。四天王さまは2mもあり、関東地方屈指の大きさを誇るお像です。

力みなぎる2mの四天王

いせはら文化財サイトより)

■四天王のうち 多聞天立像
国指定重要文化財 / 像高201.0cm / 鎌倉時代前期

右側には丈六の薬師如来さまと日光菩薩さま、月光菩薩さま。そして、左側には同じく丈六の阿弥陀如来さまがいらっしゃって、丈六の大きな薬師如来さまと阿弥陀如来さまがご対面している不思議な空間になっていました。

両如来様の引き締まった頬やつり上がった眼が、まるで兄弟のようにそっくりです。

関東でめずらしい丈六の薬師如来さまと阿弥陀如来さま

いせはら文化財サイトより)

■薬師如来坐像
国指定重要文化財 / 像高235cm / 平安時代末期~鎌倉時時代初期 / 彫眼

いせはら文化財サイトより)

■阿弥陀如来坐像
国指定重要文化財 / 像高273cm / 平安時代末期~鎌倉時時代初期 / 彫眼

24体もの仏さまがいらっしゃるこの宝物殿の中で、私が一番ときめいたのは、お厨子に入った千手観音さまでした。おそらく文化財指定はなく、素朴で平坦なお像なのですが、唇に微かに残る朱色がとても温かくて優しさを感じる千手観音さまです。

都心から1時間も電車に乗れば、こんなに長閑でこんなに大勢の仏さまに会える空間があるんですね!そう思うと、とても特した気分になりました。

次回は紅葉が綺麗な頃に訪れたいです。

※こちらは、2011年5月に更新された記事です(^人^)

《日向薬師 宝城坊アクセス》

住所:〒259-1101神奈川県伊勢原市日向1644
拝観料:300円
TEL:0463-95-1416
アクセス:伊勢原駅からバスで20分
本尊ご開帳(1月1日~3日、8日初薬師、4月15日)
公式サイト:http://hinatayakushi.com/

stoic-butsuzo

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