法隆寺(五重塔、金堂)・奈良県生駒郡「飛鳥時代を覗き見ているような空間!五重塔と金堂の仏像群」
2020年11月
4歳児と奈良へ行って来ました〜!
時差ありまくりですが頑張って書いていきます!(もう2021年6月になりました(笑))
今回奈良へ行ったきっかけは、普段なかなか拝観することのできない興福院のご開帳でした。前回の令和記念のご開帳へ行けなかったので今回は逃すまいと!
天平時代の美しい「阿弥陀三尊像」にお会いできて嬉しかったです!
今回の旅は4歳児と2人旅。
移動手段は交通機関になるので、そこまでアクティブには動けません。なるべくアクセスが良いところで、久しぶりに行きたいお寺と前から行ってみたかったお寺、4歳児のリクエストも少し盛り込んでスケジュールを立ててみました。
《1日目》法隆寺(五重塔・金堂講)→ 法隆寺(講堂・大宝蔵院)→ 法隆寺(夢殿・CAFE 鍼灸 ZADANでランチ)→ 興福院 → 東大寺でシカと戯れる → 東大寺ミュージアム(東大寺では法華堂に行きたかったのですが、シカと戯れてしまったのでタイムオーバー…(涙))
《2日目》元興寺 → 福智院 → 十輪院 → 法徳寺 →庚申堂 →奈良町資料館 → 七福食堂でらランチ →徳融寺 → 西光院 → クレープ食べる
………
旅のスタートは法隆寺!
今回は時間的に西円堂までは行けず、、、
五重塔→ 金堂→ 大講堂→ 聖霊院→ 大宝蔵院→ 大宝蔵殿→ 夢殿をめぐりました。
何年ぶり何回目でしょうか?
10年近く前に1人で斑鳩ツアーして以来かと思います。子供の頃の家族旅行や修学旅行など、法隆寺は何度も参拝しているのに、記事を書く勇気が出なかった(笑)あまりにも有名で見どころがあり過ぎる法隆寺のことを、私のチープな語彙力では表現できるはずもなく、今までスルーしてきました。
じゃあなんで今さら書くのよ?ということなのですが、今回同行した4歳児(当時)が、なぜか法隆寺のことだけよく覚えていて、その覚えてるポイントは「龍の口からお水が出ていた!」と(笑)これはおそらく手水舎のことで、法隆寺じゃなくても割とある物に感動したようなのですが、帰ってきてからも法隆寺にはなんの仏像がいるのか、法隆寺はどこにあるのか…など、ちょくちょく聞いてきます。
4歳の記憶なんてほとんどなくなると思うので、ここで母ちゃんがちゃんと書いておかねば…!と思い立ったのです(笑)
すみません!
前置きが長くなりました(汗)
法隆寺の最寄りはJR法隆寺駅。
子連れでなかったら徒歩で行っちゃうところですが、今回はじめてバスに乗りました。
でーん!
法隆寺に到着ー!
コロナ禍でもけっこう混雑していました。
さすが世界遺産!
さすが現存する世界最古の木造建築物群!
さすが国宝!
南大門を入ると中門と五重塔が見てきます。
私、ここから見える景色が好きなんです。 1400年前から変わらない聖徳太子や推古天皇と同じ景色を見れてる気がして感動してしまいます!
中へ入り、まずは五重塔〜!
法隆寺の五重塔は日本最古!
見上げると相輪に雷除けといわれる「鎌」がかけられているのがわかります。地上から見てもその大きさは特注のジャンボサイズであること間違いなし…子供の頃は雷が落ちる前に釜が落ちて来るんじゃないかと思って怖かった覚えがあります(笑)
塔の内部には、お釈迦さまに関する4つの説話をもとに、その4つのシーンを表した塑像群が祀られています。
国宝「塔本塑像」
(日本の美術より)
中でも特に印象的なシーンはやはり北面の“涅槃”で、はじめて見たのは小学生の頃だと思うのですが、なんで仏像が寝るのかもわからないし、とにかく周りで泣き叫ぶような表情のお弟子さん達が怖くて怖くて(笑)その時の衝撃は強烈なインパクトとして記憶に残っています。今は近くで拝観できないので、同行の4歳児に見せられず残念です。
次に拝観したのは金堂です。
なんと、入口で並んでいる…!こんなに賑わっている法隆寺ははじめてです。
ここは止利仏師ワールド
金堂の須弥壇には、飛鳥時代に造られた釈迦三尊像、薬師如来、四天王や鎌倉時代や平安時代に造られた阿弥陀三尊像、毘沙門天、吉祥天が祀られています。
釈迦三尊像の「中の間」、薬師如来像の「東の間」、阿弥陀三尊像の「西の間」と、それぞれ煌びやかな天蓋が吊り下げられ3つのゾーンに分かれています。
内陣中央にいらっしゃるのは、「中の間」の本尊である釈迦三尊像(銅造釈迦如来及両脇侍像)です。脇侍は、寺伝では文殊菩薩と普賢菩薩ではなく「薬王菩薩・薬上菩薩」とされています。
.出た〜!
アルカイックスマイル!
アーモンドアイ!
「中の間」の釈迦三尊像
(日本の古寺名刹より)
◾️釈迦三尊像(銅造釈迦如来及両脇侍像)
国宝 / 623年 / 金銅仏
中尊:像高87.5cm
左脇侍(向かって右):92.3cm
右脇侍(向かって左):93.9cm
聖徳太子の病気平癒を願い、亡くなった聖徳太子のために止利仏師がこの像を造ったという銘文が光背に刻まれているそうです。
大陸からの影響を強く受けた造形!
痺れます…!
「東の間」の薬師如来坐像
(仏像ワンダーランド奈良より)
◾️銅造薬師如来坐像
国宝 / 607年 / 金銅仏 / 像高63.8cm
薬師如来さまのトレードマークである薬壺を持っていないので、釈迦如来さまと区別がつきにくいですが、古代の薬師如来さまは薬壺を持たないお姿もあります。
釈迦如来さまと比べると頬の肉付がよくやや丸顔で、表情も厳しいように感じます(!?)釈迦如来さまよりも後に造られたという説が有力のようです。
光背の銘文には、聖徳太子のお父さんである用明天皇が自らの病気平癒を願い、法隆寺と薬師如来像を請願されましたが、実現することができずに亡くなってしまったため、聖徳太子と推古天皇がその遺志を継いで法隆寺を建立し607年に薬師如来像が完成した。ということが刻まれています。(作年代については諸説あるようです)
「西の間」の阿弥陀三尊像
(仏像ワンダーランド奈良より)
◾️阿弥陀三尊像(銅造阿弥陀如来及び脇侍像)
国指定重要文化財 / 1231年 / 金銅仏 / 像高64.6cm
鎌倉時代の慶派仏師・康勝の作です。
時代が一気に進みましたが、元のお像が盗難にあったため、鎌倉時代に新たに造られました。
「康勝」というと、六波羅蜜寺の大スターである空也上人像を造った仏師です。飛鳥時代の古典に習って阿弥陀三尊像を造ったということですね。
なんと、脇侍の勢至菩薩像はレプリカで、本物はフランスのギメ美術館にいらっしゃいます!明治の廃仏毀釈でフランスに行ってしまい、ギメ美術館で発見されたのは1991年。日本はバブリーな頃…割と最近の出来事なんですね。
日本最古の四天王!
【奈良・法隆寺/四天王立像(飛鳥)】金堂、釈迦三尊像の須弥壇上の四隅に配される。日本最古の四天王像といわれる。表情は飛鳥様式。後世のものとは違い直立不動の姿が特徴的。 #仏像 pic.twitter.com/pC69DsLwbe
— 美しい日本の仏像 (@j_butsuzo) February 11, 2015
@j_butsuzo
釈迦三尊像の「中の間」の四隅にいらっしゃいます。組体操やチアリーディングの土台の人みたいな(笑)安定感抜群の邪鬼。その上にストンと直立する四天王。
一般的な四天王のお姿とは違った個性的な造形に釘付けです。邪鬼のお顔が牛だったり、猿だったり…
この他、釈迦如来三尊像の両脇に、彩色がよく残る毘沙門天さまと吉祥天さまがいらっしゃいます。いずれも国宝で平安時代の作です。
新型コロナウィルス感染拡大の影響で中止となってしまった幻の展覧会「法隆寺金堂壁画と百済観音」展で東京国立博物館にいらっしゃっていたんですよね…くぅー…近くで見たかった(涙)
(「法隆寺金堂壁画と百済観音」展公式サイトより)
金堂内部は神秘的な異空間。
金網越しに飛鳥時代を覗いているような感覚になってワクワクしてしまいます!
古代の風が吹いていそうです…!
次は大講堂から回廊をめぐり、東の伽藍へ進みました。
(つづく)
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《法隆寺アクセス》
住所:〒636-0115 奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内1-1
拝観料 :大人 1500円 (西院伽藍,大宝蔵院,東院伽藍共通一括料金)
アクセス:法隆寺駅から徒歩で20分、法隆寺駅からバスで5分(法隆寺門前バス停下車すぐ)
公式サイト:http://www.horyuji.or.jp