妙法寺・茨城県桜川市「関東で唯一の“即身仏” 舜義上人と妙法寺の仏像たち」

LINEで送る
Pocket

2019年11月10日

水戸生涯学習センターさんにお声がけいただき、仏像部として市民講座の講義をさせていただきました!

仏像部が講義をさせていただいた市民講座の様子はこちら(仏像部公式サイト)

↓↓↓

仏像部in水戸、活動報告

 

その前日と当日は講義の直前まで茨城県のディープな仏像めぐりをしてきたので、ここで1ヶ寺ずつ記録していこうと思います!

頑張るぞ!!!

さて、最初に訪問したのは関東で唯一の“即身仏”がいらっしゃる妙法寺( 茨城県桜川市)でした。

妙法寺は2014年に仏像リンクのオフ会で訪れたことがあるので、今回が2度目の参拝です。

 

 

その時は即身仏のインパクトがかなり強かったので、同じお堂にいらっしゃる仏さまの記憶が曖昧になってしまっていました(涙)今回は仏さまのお姿をこの目にしっかり焼き付けるべく、注視します!!

お堂の真ん中には、平安時代・9世紀の作と伝わる大きな阿弥陀如来さまが堂々と鎮座されており、脇侍には伝観音菩薩さまと剣を持った伝天部立像という謎の阿弥陀三尊像がいらっしゃいました。

 

(茨城県教育委員会ホームページより)

 

阿弥陀如来さまは、螺髪が全て失われていながらも、お顔はやや厳しめの端正なお姿です。制作年代やお顔の雰囲気を見ると、当初から阿弥陀如来さまであったかは分かりません…。元は薬師如来さまであったという先生の見解もあるようです。

そして、剣を持つ謎の伝天部立像は、教育委員会のサイトを見ると、「伝虚空蔵菩薩」さまであると記載されていました。

天部?虚空蔵菩薩?一体どちらなんでしょうか??

いつどのタイミングでこの三尊形式になったのか?ますます謎は深まるばかりです!

妙法寺のご本尊さま延命水引地蔵菩薩立像さまで、阿弥陀如来さまのちょうど後ろにいらっしゃいました。

参拝者から見ると須弥壇の奥の方で下半身しか見えない状態。お寺の方は秘仏とおっしゃっていましたが、このような秘め方をしたお姿ははじめて見ました。

その他、四天王さまや不動明王さま、そして、節分の日に活躍する鬼の像がひっそりと祀られていてとても可愛かったです。

妙法寺は仏像の宝庫なんですね〜!

最後に、即身仏の舜義上人を拝みます。
舜義上人はこの寺で、1686年2月に入寂したと伝えられています。

相模国三浦郡の出身で、三浦一族としてお生まれになりました。そして、元は私の大好きな鎌倉・宝戒寺のご住職を努めておられたそうです。同じ神奈川県出身ということで、勝手に親近感を抱きます(笑)

しかし、そのお姿ははやり強烈なインパクト。前傾姿勢で口大きく開き、何か叫んでいるようにも見えます。これは、壮絶な修行の末即身仏になられた最期のお姿なのでしょうか…正直なところちょっと怖いです。

舜義上人が納められていた阿弥陀如来タイプの石室

境内には、舜義上人が納められていた阿弥陀如来タイプの石室があります。上下にパカっと開けることができ、中へ入れる形になっているようです。妙法寺のある土地一帯が湿地帯であったため、舜義上人は阿弥陀如来の石仏の中に入定されたそうです。

 

 

入定されてからかなりの年月が経った頃、当時のご住職や村人の夢の中に舜義上人が何度も現れたそうです。ご住職が石仏を開けてみると、見事な即身仏にになられた舜義上人のお姿があり、お堂にお祀りするようになったのだとか。

石仏の中は暗くて冷たくて寂しかったのでしょうか…

《妙法寺アクセス》

住所:茨城県桜川市本郷1
TEL:0296-75-1802
拝観料:志納
アクセス:JR水戸線岩瀬駅(タクシー15分)、桜川・筑西IC10分
※拝観には問い合わせが必要です。

stoic-butsuzo

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

コメントする