善福寺・神奈川県中郡「安阿弥陀様を思わせる 美しい阿弥陀如来像」
2019年10月の仏像ブラ参りは神奈川県中郡大磯町の古仏を巡りました!
大磯の慶覚院を参拝したあとは、歩いて5分くらいの善福寺を訪ねました!
慶覚院の記事はこちらです★
慶覚院・神奈川県中郡「像高約150cmの大きな地蔵菩薩さまと謎多き仏像群」(2019年10月)
★慶覚院・神奈川県中郡「像高約150cm、鎌倉時代の大きな地蔵菩薩坐像に出会う」(2011年8月)
善福寺を参拝するのは今回で2度目。
お堂の中に、とても美しい阿弥陀如来さまがいらっしゃったのを覚えています。
善福寺の開山は了源というお坊さんです。了源は曽我物語の曽我十郎と虎御前の間の子であると伝えられています。また、平塚入道とも称し、相模国を訪れていた親鸞聖人のもとで学び善福寺を開いたといわれています。
写実的な伝了源坐像
■木造伝了源坐像
国指定重要文化財 / 像高75.2cm / 鎌倉時代後期〜末期
善福寺ではずーっと親鸞聖人の像であると伝えられてきましたが、全国にいらっしゃる親鸞聖人の肖像画やお像のイメージとは違うお姿をしているということで、開祖の了源上人の像として文化財登録されています。
親鸞聖人のイメージは、老僧であったり、もうす(帽子)をして念珠を持っているのが一般的ですが、善福寺で親鸞聖人像として信仰されてきたお像はイメージより若く、もうすを付けていません。そして、胸の前で合掌をしています。
しかし、最近の調査では千葉県などにも同じタイプの親鸞聖人像がある事がわかったそうです。
これはやっぱり親鸞聖人ではないのか…!?お寺の方や地元のお檀家さんは先祖の代からずっと親鸞聖人として崇めてきたのですから、もうそれは親鸞聖人以外何者でもありませんね。
そして、お隣にいらっしゃるのは大変美しい阿弥陀如来さま〜!
快慶の作風を忠実に踏襲した作例といわれる阿弥陀如来立像
■阿弥陀如来立像
神奈川県指定重要文化財 / 像高98、4cm / 鎌倉時代
この阿弥陀如来さまは、鎌倉時代の名仏師・快慶の端正な作風を忠実に踏襲した作例ということで、高い評価を得ています。
快慶は、鎌倉時代に東大寺を再建した重源上人と深い関係にあったため、浄土信仰に深く共感し阿弥陀如来像を多く造っている事で有名です。
その中でも善福寺の阿弥陀如来さまは、初期の頃の京都・遣迎院や奈良・東大寺俊乗堂にいらっしゃる阿弥陀如来さまのような作風に近いように思いました。衣の着こなしがシンプルで、若々しくハリのあるイケメンです!
今回はあいにくの雨で王福寺の拝観が中止になってしまいとても残念でしたが、神奈川県のレアな仏像をまた拝むことができてよかったです!
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《善福寺アクセス》
住所:神奈川県中郡大磯町高麗1丁目7-7
TEL:0463-61-1193
拝観料:志納
アクセス:JR大磯駅よりバス 4 分
平 43 、 47 、 48 系統「花水」下車 徒歩3分
※拝観には問い合わせが必要です