常福寺・茨城県土浦市「藤原期の穏やかな薬師如来さま」
茨城県土浦市の常福寺
この日は、青春18切符の残りを使って、霞ヶ浦の写真を撮りに行くのが目的で土浦まで来たのですが…常福寺に国の重要文化財に指定されている薬師如来さまがいらっしゃることを知り、思いっ切って拝観のお願いをしてみました。
常福寺は土浦駅から桜川沿いを歩いて約25分。
愛宕神社の境内を通り抜け、その奥にお堂がありました。
愛宕神社は平貞盛によって開かれたとされており、社殿は茅葺で古びた雰囲気がとてもいい感じです!
常福寺は、平安時代初期、最澄の高弟最仙の開基と伝えられています。
ご本尊は真っ赤なお厨子の中におられる薬師如来さまです。
地方の特色を感じる藤原期の薬師如来坐像
■薬師如来坐像
国指定重要文化財 / 像高127cm / 平安時代後期
平安後期の作で定朝様式といわれていますが、京都でよくお目にかかる定朝様の如来さまとはちょっと違った雰囲気のある薬師さまでした。
掌には手相なのか、「才」と彫ってある様に見えます。
そして、お顔はにっこり微笑んでいるような、とても穏やかな表情をされていました。
お厨子の両脇には日光菩薩さまと月光菩薩さま、そして十二神将さまもいらっしゃいます。
やや小さめのお姿ですが、一体ずつじっくり拝観するとお顔の表情がとても豊かなことに気が付きました。腰のひねりがグッと入った動感のある十二神将さまでした。
そして最後にもう一度、薬師如来さまを間近で拝観。
すると、さっきよりも微笑が増した様に見え、私も思わず微笑んでしまいました。
《常福寺アクセス》
住所:茨城県土浦市藤沢975
TEL:029-826-1111
拝観料:志納
アクセス:JR常磐線土浦駅徒歩25分
※拝観には問い合わせが必要です。
2015年5月17日 東光山医王院常福寺=茨城県土浦市下高津2-10-22