無量寺・長野県上伊那郡「藤原期の阿弥陀如来・観音菩薩・地蔵菩薩の三尊形式」
2014年9月14日
長野県へ足を運んだ時のことです。その日は即身仏部(部員1人!?)からお誘いいただき、阿南町瑞光院の行人様(即身仏)からスタート→→→ 合原阿弥陀堂→→→ラストの無量寺です!
木々の生い茂る境内にひっそりとあるこちらのお堂は旧阿弥陀堂。お寺巡りの中でこのような趣きのあるお堂に出会った時はワクワク胸が高鳴ります。
無量寺は、藤原期の阿弥陀如来さまがお祀りされている歴史あるお寺です。その阿弥陀如来さまの胎内には、当時の寄進者と思われる藤原氏34名の名前が墨で書かれているそうです。当時、この辺りは藤原氏の荘園だった事もあり、藤原氏一族の氏寺の仏さまとして作られたのではないかと言うことでした。
さて、その阿弥陀如来さまはどこにいらっしゃるのかと言うと、旧阿弥陀堂のお隣にある収蔵庫!
寄進者34名の名が記された阿弥陀如来坐像
■阿弥陀如来坐像(中央)
国指定重要文化財 / 像高113.3cm / 平安時代後期
胎内の墨書には寄進者である藤原氏他34名の名が記されている
収蔵庫の中には3体の仏さまがいらっしゃいました。
中央にはなんとも優美な阿弥陀如来さま。仏さまなので当然の事ですが、ぜんぜんあくせくしてない余裕の貫禄…毎日忙しい日常の中で仏に出会うと、心の余裕をわけていただいた様な気持ちになれます。
そして注目すべきは阿弥陀如来さまの脇侍の仏さまです!
なんと、お地蔵さまと聖観音さまが脇侍なんですよ!作風に共通点があることから3体セットで造られたと考えられています。この三尊がお堂に並ぶのはなかなかめずらしいのではないでしょうか?
■地蔵菩薩立像(右脇時)
長野県指定文化財 / 129.5cm / 平安時代後期
■観音菩薩立像(左脇時)
長野県指定文化財 / 135cm / 平安時代後期
無量寺にはもう一つ興味深いものがありました。それは、宝篋印塔です。
なんか凄くないですか?
良く見るといろーんな仏さまが大集合しています。
四天王さま、不動明王さま、お地蔵さま、………ん?お坊さん?
(後で調べたら、真言八祖像でした!)
これで長野の旅はお終いです。
長野には素敵な仏さまが大勢いらっしゃいますね。
また再訪したいと思います。
≪無量寺アクセス≫
住所:長野県上伊那郡箕輪町大字東箕輪4307
TEL:0265-79-3051
アクセス:伊北インターから車で5分、沢駅から徒歩30分
拝観料:300円 (拝観予約)
公式サイト:http://muryoji.web.fc2.com/