佛南寺・京都府綾部市「綾部の平安仏！虚空蔵菩薩さまと大日如来さま」

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２０１１年の８月に京都北部～若狭・小浜方面を旅した時の記録です。

朝７時に京都駅に到着し、簡単に腹ごしらえを済ませ、10時に約束をしている綾部市の佛南寺へ向かいます！

拝観のお願いをする際に、私の着信履歴から何度も折り返しのお電話を下さったご住職様に、先ずは御礼をしなければ…

京都市内から山道を抜け、1時間半ほどで到着。

本堂を訪ねると、ご住職が「電話の人かい？」と、ニコニコ顏でお出迎えしてくださいました。折り返しのお電話を頂いた御礼を伝えると、「めったに電話なんてかかって来ないもんでねぇ…」と（笑）

佛南寺は平安時代から続く古刹です。
清和天皇の時代には、朝廷の勅願寺として七堂伽藍を構えるほど栄えたそうです。元は真言宗で現在では臨済宗妙心寺派のお寺です。

佛南寺のご本尊としてお祀りされているのは鎌倉時代の釈迦三尊さまです。煌びやかな宝冠と切れ長の目が印象的な中尊の釈迦如来さま。三尊共に均整のとれた非常に美しいお姿でした。

本尊釈迦三尊像

そして、向かって右手には、平安時代の虚空蔵菩薩さまがいらっしゃいます。虚空蔵菩薩さめまが立ち姿でおられるのは、あまり見たことがないかも知れません。

平安前期の作と伝わる一木造の虚空蔵菩薩立像

■虚空蔵菩薩立像
綾部市指定文化財　/　像高　約１６５ｃｍ　/　平安時代（１０世紀頃）

一見すると、聖観音さまかな！？と、思ってしまう虚空蔵菩薩立像…確か奈良・法輪寺にもいらっしゃったような？

そして左手には、同じく平安時代の大日如来さまがいらっしゃいました。

お顔がふくよかな古様の大日如来坐像

■大日如来坐像　 綾部市指定文化財　/　像高　約１１７ｃｍ　/　平安時代末期

お顔がふくよかで優しい雰囲気を放つ大日如来さまですが、近くでお顔を見上げると意外に目つきが鋭くてドキッとしてしまいます！

虚空蔵菩薩さまも大日如来さまも平安時代の仏さまですが、虚空蔵菩薩さまの方が平安前期の様式が残る古仏なんだそうです。

ご住職が「今日はこれを覚えて帰って下さい」と教えて下さったのは“新しい仏さまと、古い仏さまの違い”についてでした。

鎌倉時代より前が古い仏さま・鎌倉時代以降は新しい仏さまとすると、古い仏さまは耳たぶが長く、衣文の裾も長い…そして、翻波式の衣文のお話など色々と教えて下さいました。

仏さまの前でご住職とお話をしながら充実した時を過ごし、気がつくと40分も時間が過ぎていて、このままではいつまでもこのお堂に居座ってしまいそうでした。

そして最後に、観音堂を開けていただきました。佛南寺は「綾部西国観音霊場」の七番札所となっており、中には端正なお顔立ちの聖観音さまがいらっしゃいました。

端正なお姿の札所本尊（聖観音立像）

帰り際に、若いお母さんと小さな男の子の親子とすれ違いました。男の子が本堂に向かって手を合わせている姿を見て、なんだか、和むお寺だなぁ～と、この後も数ヶ寺巡る予定なのに佛南寺でのんびりしたくなってしまったのでした。

《佛南寺アクセス》

住所：京都綾部市里町向屋敷103
TEL：0773-42-4717
拝観料：志納
アクセス：ＪＲ綾部駅から車で10 分
※拝観には問い合わせが必要です。