“丹生谷文化財フェスタ”で特別開帳の仏さまを参拝しました!(上丹生薬師堂、源昌寺、東林寺、洞寿院)

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2019年8月25日
この日は久しぶりの遠征!日帰りで滋賀県長浜市へ…!

現在、滋賀県で地域の仏像や歴史文化のPRなどの活動をしている観音ガールさんのお導きで、長浜市内の仏像と余呉町丹生地域一帯で開催された“丹生谷文化財フェスタ”にお邪魔してきました。

丹生谷文化財フェスタ

午前中は、長浜市瓜生町の瓜生薬師堂(珀清寺)と木之本町の黒田観音寺という観音ガールさんイチオシのお寺2ヶ寺を巡りました!

“丹生谷文化財フェスタ”では、上丹生地区の4つの寺院が公開され、そのうちの2つの寺院が特別開帳されました!

東林寺(洞寿院観音堂)の聖観音菩薩さまは、通常33年に1度のご開帳。

そして、上丹生薬師堂の薬師如来さまは50年に1度。

普段お目にかかれない秘仏のお姿を拝むことができた、とても貴重な旅となりました。

最初に訪問したのは上丹生薬師堂です。

お前立の薬師如来さまが修復に出られているということで、特別にご本尊さまを参拝することができました。

上丹生薬師堂

丹生谷文化財フェスタ

お堂というか、なんというか、普段は地域の集会などで利用しているのでしょうか?中は広々としていて、その奥の方に仏さまゾーンがありました。ご開帳の時間が決められているのもあって堂内は人がぎっしり!

総代の方のご挨拶があり、さていよいよご開帳〜!

この瞬間を見逃すまいと、私は目を全開にしてじーっと見つめます!

お厨子が開け放たれた時、後光というものが見えたような気がしました(笑)

お厨子の中にいらっしゃったのは、黒っぽいお身体に朱色の紅をさしたような薬師如来立像。

50年に1度の秘仏 薬師如来立像

丹生谷文化財フェスタ(当日いただいた資料より)

■薬師如来立像
国指定重要文化財 / 像高147cm / 鎌倉時代初期

背中に鎌倉初期の建保3年(1215)の墨書きがあるそうです。

一木造ですが重量感はなく、羨ましいほどにぺったんこのお腹。身体が薄い薬師如来さまはどことなく神聖さが増しているように感じます。同じ滋賀県内だと鶏足寺(己高閣)にいらっしゃる七仏薬師さまのような薄さです。

鶏足寺(己高閣)の七仏薬師

七仏薬師(己高閣)(ポストカードより)

前回は35年前にご開帳されたので、次は14年後になります。大変貴重な薬師如来さまを拝ませていただきました。

次に向かったのは源昌寺です。

源昌寺は一見するとお寺のようには見えず、間違えて民家に来てしまったのかと思ってしまいました。

一見、民家のような源昌寺

丹生谷文化財フェスタ

世話方さんも笑顔で迎えてくださって、なんだか田舎のお婆ちゃんの家に遊びに来たような親しみやすいお寺でした。

中へ入ると、須弥壇に仏像が所狭しと祀られていました。源昌寺は曹洞宗のお寺ですが、上丹生にあったいろいろな宗派のお寺から仏さまが集まっているそうです。

前立ての聖観音像

丹生谷文化財フェスタ

■聖観音菩薩立像
江戸時代 / 像高1mくらい

こちらの聖観音さまは、丹生神社の境内にあったという中林寺のご本尊さまと瓜二つの前立ての観音さまです。(ご本尊さまは秘仏)

頬っぺたにほんのりチークを入れたような可愛らしい聖観音さまでした。

その他、七々頭ヶ岳山頂にある西林寺にいらっしゃったという観音さまや「見返り文殊」と呼ばれる獅子の上に立ち顔を向いた文殊菩薩さまなどがいらっしゃいました。

めずらしい「見返り文殊」

丹生谷文化財フェスタ

さて、次に向かったのは菅並地区の洞寿院観音堂です。

Googleマップで位置確認をしてみたら福井県境の山間部に自分がいることがわかり、こんなに奥まで来たのかー!と、なぜかテンションが上がってしまいました(笑)

東林寺(洞寿院観音堂)の聖観音さまは33年に1度ご開帳される秘仏です。前回は2016年にご開帳され、17年に1度の中開帳もあるそうです。

隣接する六所神社の別当寺だったといわれ、現在は洞寿院の飛び地境内となっています。

東林寺(洞寿院観音堂)に隣接する六所神社

丹生谷文化財フェスタ

前回は中開帳で2016年にご開帳された洞寿院観音堂

丹生谷文化財フェスタ

こちらの聖観音さまも、黒田観音寺の方と同じく「観音の里の祈りとくらし展Ⅱ-びわ湖・長浜のホトケたち-」でお会いしたことがありましたが、やはりお堂にいらっしゃるお姿は格別です!

上丹生薬師堂の薬師如来像とまるで兄弟のよう

丹生谷文化財フェスタ

■聖観音菩薩立像
国指定重要文化財 / 像高173cm / 鎌倉時代初期

上丹生薬師堂の薬師如来さまと同じく、背中に制作年代がわかるの墨書きがあるそうです。建保4年(1216)なので、上丹生の薬師如来さまの1年後に造られたという事になります。

キリッとした視線が印象的な観音さまですが、 上丹生薬師堂の薬師如来さまとまるで兄弟のように似た雰囲気でした。丸顔で小さめのお口、そしてシャープな目!

丹生谷文化財フェスタ

観音さまの優しい曲線のフォルムと、衣文が浅く、つるんと整えられた表面はよく見ると木目が美しいことに気がつきます。秘仏であるということと合わせて、霊木のありがたみが伝わってくるお像でした。

最後に訪問したのはさらに奥まったところにある洞寿院でした。うっそうとした山の中にある静かなお寺です。

洞寿院は湖北の曹洞宗を代表する寺で、かつては修行の道場として多くの僧侶が修行をしていたそうです。

最後に訪問した洞寿院

丹生谷文化財フェスタ

お堂の中は広々としていて、入って左の壁には大きな曼荼羅の掛け軸。

そして、古風な大日如来さまや難陀龍王が支える准胝観音さま。右手に蓮華を持つ拈華微笑をあらわした釈迦如来さまやトイレの入り口にはユニークな烏枢沙摩明王などがいらっしゃって、曹洞宗でありながら密教系の仏も居心地がよさそうでした!

帰りに「余呉型民家」と呼ばれる伝統的な三角屋根の民家が建ち並ぶ菅並集落を通りました。とっても小さな集落ですが景観が素晴らしく、時間があれば写真を撮りまくりたかったです。

………

“湖北 ”と聞くだけでなんだかほっこりします。

湖北は素晴らしい仏さまがいるという事の他に、私たちのような県外からの参拝者も温かく迎えてくださり、仏さまと人との繋がりを垣間見ることができるのも魅力ですね。家族を自慢しているかのように仏さまの話をするお爺ちゃんお婆ちゃんの姿。この温かさが仏像ファンを何度も通わせる原因かも知れません。

2019年度は10月20日に高月市周辺で開催される“観音の里ふるさとまつり”がありますね!私は行けないのですが…もし行く方いらっしゃったら是非
感想をお聞かせください!

《上丹生薬師堂アクセス》

住所:滋賀県長浜市余呉町上丹生 八幡神社横
※拝観予約、問い合わせ:長浜観光協会北部事務所 0749-82-5909
本尊薬師立像は50年に1度ご開帳される秘仏

《源昌寺アクセス》

住所:滋賀県長浜市余呉町上丹生 源昌寺
アクセス:JR木ノ本駅よりバスにて28分「上丹生」下車、バス停より徒歩にて2分 / 北陸自動車道木之本ICより15分
※拝観予約、問い合わせ:長浜観光協会北部事務所 0749-82-5909

《東林寺(洞寿院観音堂)アクセス》

住所:滋賀県長浜市余呉町菅並
問い合わせ:洞寿院 0749-86-2501
※聖観音さまは33年に1回の御開帳前回。2016年にご開帳され、17年に1度の中開帳もある。

《洞寿院アクセス》

住所:滋賀県長浜市余呉町菅並492
TEL:0749-86-2501
アクセス:JR北陸本線「木之本」駅下車、余呉バス25分「洞壽院」下車、徒歩 / 陸自動車道「長浜」ICから、約30分
拝観料:300円
※要予約

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