影向寺・神奈川県川崎市 「薬師三尊像は力強さと素朴さをあわせ持つお姿…そして、後方の十二神将にも注目!」
2020年6月
仏像リンクの初心者見学会“仏像ブラ参り”
今回は川崎市の影向寺と稲城市の常楽寺&高勝寺を巡りました!
午前中に訪問したのは影向寺です。川崎市宮前区にある天台宗の古刹です。
実は、影向寺は2014年にも参拝したことがありました。
仏像リンクの前身であるmixiコミュニティ「Sexy仏像&仏List」のオフ会に参加したときです。なんとその時は約80名もの人が集まり、ゾロゾロと歩いて都内近郊の古仏を巡りました。
こちらがその時の様子です・・・お堂に人がギッシリ〜(笑)
↓
(2014年に撮影:影向寺本堂)
(2014年に撮影:影向寺収蔵庫)
ご住職は今も変わらずお元気で、今回も熱心に解説をしてくださいました。
影向寺の収蔵庫には、薬師三尊像・二天像・十二神将がいらっしゃいます。通常のご開帳ではガラス越しの拝観ですが、今回は特別に、収蔵庫の中で間近に拝観させていただきました!感謝!
収蔵庫の中央でどっしり構えているのが薬師如来さま。一木造で安定感のあるお姿です。
(仏像リンクHPより)
どっしり重量感のある薬師如来坐像
(2014年に撮影)
■薬師如来坐像
国指定重要文化財 / 像高140cm / ケヤキの一木造 / 平安時代後期の作
がっちりした肩や豊かな肉付きは平安時代初期〜中期につながる古い様式を見ることができますが、伏し目で穏やかな表情や簡素な衣紋の表現などは、この時代に多く造られた定朝様(藤原仏)を感じることができます。
しかし、京都にあるような洗練された藤原仏とはまた違い、素朴さがあって味わい深いお姿です。
そして、なんといっても広い背中!!
ご住職のお話によると、勘が良い人はこの背中から海を感じ母を感じるのだそう。感じ方は人それぞれかと思いますが、この広い背中にすがりたくなるという人々の思いは昔からずっと変わらないかも知れません。
最後に…後方にいらっしゃる十二神将さまに注目してみました。
(影向寺ホームページより)
鎌倉覚園寺の前身である大倉薬師堂に存在した運慶作・十二神将像の流れを汲んだ作例ということで、覚園寺や辻薬師堂のお像と似た形式なのだとか。
像高約70cmという小さめのお像ですが、気迫に満ちた表情が慶派の仏像を思わせる十二神将さまでした。
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《影向寺アクセス》
住所:神奈川県川崎市宮前区野川419
TEL:044-766-7932
拝観料:志納
アクセス:武蔵小杉駅より東急バス道中坂下行き、鷲沼行き、野川台公園行きに乗車、バス停「影向寺」下車、徒歩5分
ご開帳:毎年、正月3が日、春秋彼岸の中日(春分の日・秋分の日)、11月3日(縁日)に公開
公式サイト:http://yougouji.org/