常楽寺・東京都稲城市「市内最古の仏像と名高い平安の阿弥陀三尊像を参拝!」
仏像リンクの初心者見学会“仏像ブラ参り”
今回は川崎市の影向寺と稲城市の常楽寺&高勝寺を巡りました!
午前中に訪問したのは影向寺。
影向寺では平安後期の薬師三尊像など拝観させていただきました。
そして、午後は稲城まで移動…!
仏像ツウの人だったら、もしかしたら“稲城市の仏像=よみうりランド”って思うかも知れません。よみうりランドには平安時代前期の聖観音さまや鎌倉時代後期の妙見菩薩さまなどがいらっしゃいます。
こちらピース(剣印)をした妙見菩薩像。なかなか見応えのあるお像です。
今回は稲城市の“よみうりランドじゃない仏像”を拝観しました!(笑)最初に向かったのは、稲城駅から徒歩5分の常楽寺です。
常楽寺には、平安時代末期ごろの作と言われている阿弥陀三尊さまがいらっしゃいます。
平安期の阿弥陀三尊像
内陣で優美な阿弥陀三尊像を見上げる
遠目ではわかりませんでしたが、唇に微かに残る朱色を発見してドキッとしてしまいました。
■阿弥陀三尊像
中尊: 阿弥陀如来坐像 78.4cm
右: 観音菩薩像 92.7cm
左: 勢至菩薩像 92.3cm
平安時代末期 / 寄木造 / 彫眼
稲城市のサイトでは
「伏目のおだやかな表情などに藤原時代の特色を見ることができますが、螺髪がやや大粒なこと、衣文線がやや密で、大小のひだを交互に刻み出す等の点に古い様式を残しています。」
と、記載があったのですが…どうでしょう?
完全なる定朝様ではないにしても、阿弥陀如来さまにしてはちょっと厳しめに感じてしまうのは私だけでしょうか?
・・ここからは完全に妄想です・・
12世紀前半(平安末期)の作とありますが、この東国の仏師さんは、9世紀ごろ(平安初期)の古典式なデザインを好んで阿弥陀如来さまを造ったのかなぁ?
例えば、清涼寺霊宝館にいらっしゃる棲霞寺阿弥陀堂の旧本尊だったと伝わる阿弥陀如来(阿弥陀三尊像)さま。
どーんと角ばった肩幅や大きく張った膝。螺髪は大粒で、ややつり上がった目元。これでもか!!と、主張する彫りの深い衣紋…!
きっと、東国の仏師さんはこの阿弥陀如来さまを見て感動…!
よーし!おいら、東国でもカッコイイ阿弥陀如来像を造るぜ!と、意気込んで多摩へ。
そして!ついに開眼…!
そんなバックグラウンドの元に造られた渾身の阿弥陀如来像を今日私たちが拝んでいるのです!
なーんて。
妄想が膨らんで1人でニヤニヤしながら拝観していたのでした(笑)
その他、境内には四天王さまなどのお像がたくさんあって、見どころ満載なお寺でした!
・・
《常楽寺アクセス》
住所:東京都稲城市東長沼2117-2
TEL:042-377-7660拝観料:志納
※拝観には問い合わせが必要です。