茨城県笠間市・阿弥陀堂「地域の世話人会が守る瘡(かさ)阿弥陀さま」
2019年11月 仏像部 茨城遠征の続きです。
11月10日に水戸生涯学習センターの市民講座で、仏像部が講義を担当させていただきました。
講座のタイトルは“仏さまとおしゃべり”
仏像部ならではの楽しみ方や仏像へのリスペクトをお話させていただきました。
その講義の直前に巡った仏像のことを書いていきます。
ちなみに1日目はこんなコース★
桜川市の妙法寺→小山寺(富谷観音)→東茨城郡城里町の小松寺 → 資料館のめずらしい如意輪立像→ 宝幢院
2日目 講義の当日 朝8時頃 宿を出発し、笠間市の上加賀田にある阿弥陀堂を参拝しました。
こんなところにお堂があるのかしら?と、少々不安になるくらいの長閑な集落を車でさまよっていると、すぐ後ろで軽トラをとめて待っていてくださった地域の世話方さんを発見!
さっそく世話方さんに案内していただいて、阿弥陀如来さまがいらっしゃるお堂へ向かいました。
世話方さんの後について、山と畑の間の斜面を歩いて行きます。もう何年も人が歩いてないんじゃないかというくらい、草がよく伸びていて土もふかふか!そして靴がドロドロ(笑)
倒木をまたいだその先に、静かに佇むお堂がありました。
森の中にある古びたお堂…!
その光景だけでもテンションが上がります!
お堂の扉を開けていただくと、お厨子の中に素朴な阿弥陀如来さまがいらっしゃいました。
スーッと描かれた眉毛と彩色された眼や口。
このお化粧をオフしたらどんなお顔になるんだろう?なんて、阿弥陀如来さまのすっぴんを想像していましました。
穏やかな阿弥陀如来坐像
■阿弥陀如来坐像
茨城県指定文化財 / 像高92cm / 平安時代末期
阿弥陀如来さまは「瘡(かさ)阿弥陀」と呼ばれ、昔から皮膚病にご利益があるとして地域の人々に信仰されてきたそうです。
世話方さんが子供の頃はお祭りが行われていたそうです。屋台も出て賑わっていたそうですが、今ではひっそりとお堂があるだけになってしまったと…寂しそうにそのお話をしていたのが印象的でした。