宝幢院・茨城県東茨城郡「水戸黄門ゆかりの端正な大日如来さまを参拝」
2019年11月 仏像部 茨城遠征の続きです。
桜川市の妙法寺→小山寺(富谷観音)→東茨城郡城里町の小松寺 → めずらしい如意輪立像を参拝し、1日目のラストは再び城里町へ戻り宝幢院へ向かいました。
到着する頃にはすっかり日が暮れていて、灯りのない真っ暗なお寺の境内を歩きました。向こうの方にぼんやりお墓が見えましたが、お寺巡りでお墓を見慣れているせいかぜんぜん怖くありません(笑)
お出迎えしてくださったのは女性のご住職さまでした。
なんだかホッとします。
県内最古といわれる平安時代の大日如来像
■大日如来坐像
町指定文化財 / 像高95cm / 平安時代後期
こちらの大日如来さまの体内背面部には徳川光圀公の銘があるそうです。
その銘によると、大日如来さまはもとは常盤太田市の白馬寺にいらっしゃいましたが、徳川光圀公により修理されて宝幢院にお祀りされるようになったそうです。そして、その修理の際に彫眼から玉眼へ造り変えられました。
全体的には穏やかな雰囲気ですが、ウエストのあたりがキュッと引き締まっていたり、角度によっては目つきが鋭かったり。いろいろな表情を見せる大日如来さまです。
大日如来さまには2つの特徴がありました。
1つは、衣の着こなしです! 大日如来さまの多くは、片方の肩(右肩)を出した偏袒右肩(ワンショルダー?)が多いと思うのですが、右肩を出さずに覆肩衣をまとっています。
2つ目はヘアスタイルに注目! くるくると螺貝のように巻かれた髻の毛先が素敵じゃないですか!?これは見事な螺髻ですよね!平安時代に造られた大日如来さまに多く見られるヘアスタイルかと思いますが、宝冠を外していらっしゃるので存在感ありました。
水戸黄門さまこと徳川光圀公が大日如来さまを修理したという体内銘があるとお聞きしましたが、同じ東茨城郡城里町の 小松寺の木造浮彫如意輪観音像
にも徳川光圀と陰刻した修理銘があるそうです。
水戸黄門さまは仏像の修復もされたんですね!水戸黄門さまの脇侍:助さん格さんもお手伝いしたのでしょうか…!?(すみません…)
また、静岡県浜松市の方広寺には、徳川光圀公により修理され、清音寺(茨城県東茨城群城里町)から移された釈迦如来さまがいらっしゃるようです。
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《宝幢院アクセス》
住所:茨城県東茨城郡城里町大字那珂西1958
TEL:029-288-2567
拝観料:志納
アクセス:JR水郡線 静駅から5.4 km.
※拝観には問い合わせが必要です。
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