放光寺・山梨県甲州市「全国でもめずらしい天弓愛染と安田義定モデルの毘沙門天」

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山梨県甲州市にある放光寺（ほうこうじ）

この日は山梨県の古仏を巡りました。

笛吹市の福光園寺→甲州市の恵林寺→放光寺（今ここ！）

恵林寺と放光寺までは歩いて15分くらいで、この辺りの観光コースにもなっています。

柿の並木道のような参道を抜けると、やがて山門が見えてきました。

放光寺は真言宗智山派のお寺で、縁結びと花が有名です。

ご本尊は大日如来さまですが、仏像としてはめずらしいお姿の天弓愛染さまの方が有名かも知れません。

天弓愛染さまは、１０月に京都の神童寺でお会いしたばかり。

この放光寺のお方は像高が約８９ｃｍもあるので、金剛峰寺や神童寺の天弓愛染さまよりも大きいんです！！（山梨・放光寺、京都・神童寺、高野山・金剛峯寺にある像が国指定重要文化財に指定されています。）

それに日本最古の天弓愛染さまなんですよ。

天に向かって矢を射ようとするめずらしいお姿

（明王像のすべてより）

■愛染明王坐像（天弓愛染）
国指定重要文化財　/　像高８９、４ｃｍ　/　平安時代（１２世紀後半）

12世紀後半に京都・円派の工房で造られたと考えられています。

愛染明王さまは、煩悩の一つである愛欲を覚りに変え、仏道に導いてくれる優しい仏さまです。

中でも天弓愛染さは天に向かって矢を射ようとするめずらしいお姿です。このお姿は、経典の中で「衆星の光を射るが如し」と示されているお姿をあらわしたものと言われています。

天弓愛染さまはもちろんかっこいいのですが、私は頭の上にちょこんと乗った獅子が気になって気になって…

この写真だとよくわからなくて残念ですが、マンガみたいにコミカルな表情をしていて可愛かったです（笑）お目目がまん丸でちょっとビックリ顔でした（笑）

お隣には、ご本尊の大日如来さまとと不動明王さまがいらっしゃいます。

平安時代末期・円派の作と推測される大日如来坐像

（放光寺ホームページより）

■大日如来坐像国指定
重要文化財　/　像高９５、４cm　/　平安時代（１２世紀後半）

大日如来さまはとても優美なお姿で、天弓愛染さまと同じ１２世紀後半の作とされています。

やや丸い輪郭に優しい目鼻立ち、そしてほっそりとした腕で印を結んだ姿がとても穏やかな雰囲気を出していました。

腰を右に少し捻った穏やかな不動明王立像

（放光寺ホームページより）

■不動明王立像
国指定重要文化財　/　像高１４８、４cm　/　平安時代後期

不動明王さまは、他の２尊とは違い山梨で造られたと考えられています。

ヘアスタイルはは総髪、眼は彫眼の天地眼です。全体的に優しさを感じさせる不動明王さまでした。

お堂を出て一番奥には毘沙門天さまが祀られていたのですが、毘沙門天さまと言ってもちょっと様子が違います。

安田義定がモデルとなった毘沙門天立像

■毘沙門天立像
甲州市指定文化財　/　像高１４７、８ｃｍ　/　平安後期～鎌倉初期

この像は放光寺の開祖である安田義定がモデルになっていようです。

かなり失礼な話ですが、一見、彦根のひこにゃんを連想してしまいました（笑）

しかし、そんなキャッチーな第一印象をとは裏腹に、次第に背筋がゾクゾク・・・としてきて、毘沙門天さまの不思議なオーラにどんどん引き込まれてしまいました。

最後に、お茶とお菓子をいただいてのんびりと過ごしました。

放光寺は仏像も充実していて季節の花も楽しめる。そして最後にのんびりもできると言う…とても魅力的なお寺でした。今度は春に訪問しようと思います！

《放光寺アクセス》

住所：山梨県甲州市塩山藤木2438
TEL：0553-32-3340
拝観料：300円
アクセス：塩山駅からバス約15分、放光寺前下車すぐ