禅定寺・京都府綴喜郡「像高286cmの大きな十一面観音さまと藤原期の仏像群」
2010年10月に仏像にさほど興味ない友人達と京都を旅した時の記録です。
2日目: 東福寺→同聚院→阿弥陀寺→三千院→即成院→ 戒光寺→ 泉涌寺
大智寺を参拝した後は禅定寺に到着!
仏像群は外の収納庫ですが、まずは本堂から参拝!
茅葺屋根で趣のある素敵なお堂です。
禅定寺は、寺伝によると東大寺の別当であった平崇が、平安中期に建立した華厳宗の寺院で、藤原氏とのつながりも深く多くの堂塔が建てられました。しかし、戦国時代には衰退し、江戸時代前期に禅定寺中興の祖とされている月舟(げっしゅう)が再興。現在は曹洞宗の寺院として信仰されています。
お寺の方にご案内していただき本堂の外を見ると、そこには大規模に描かれたお釈迦さまの涅槃図(壁画)がありました!
涅槃図を中心に、煩悩の数と同じ108に区別され、12歳の子供から85歳のお年寄りがそれぞれ描いた仏画が取り囲んでいます。
お寺の方の説明があまりにも熱心で、写真を撮るのをすっかり忘れてしまいました(笑)涅槃図は禅定寺公式サイトに掲載されています!
説明は住職にバトンタッチされ、表の収納庫へ。
収蔵庫に入ってまず最初に目に飛び込んで来たのは、3メートル近くある大きな十一面観音さまです!
禅定寺当初の本尊とされる十一面観音立像
(南山城の古寺より)
■十一面観音立像 国指定重要文化財 / 像高286.3cm / 平安時代(10世紀末ごろ)
十一面観音さまは禅定寺創建当時からの本尊で、京都随一のものになるそうです。
お写真で見ると丸顔で若々しい雰囲気もありますが、実物は大きさもあり威厳のある十一面観音さまでした。
十一面観音さまの脇侍に日光菩薩さまと月光菩薩さま
(南山城の古寺より)
■日光菩薩立像・光菩薩立像 国指定重要文化財 / 像高(日光)203cm (月光)207.9cm / 平安時代
十一面観音さまの脇には、これもまた大きい日光菩薩さまと月光菩薩さまがいらっしゃいました。元は近くの光明寺というお寺にいらっしゃったそうですが、そこでは薬師如来さまの脇侍としてお祀りされていたのでしょうか?
大きめな頭部から神聖なオーラを放つ地蔵菩薩半跏像
(南山城の古寺より)
■延命地蔵菩薩半跏像 国指定重要文化財 / 像高87.9cm / 平安時代
表情豊かな四天王
(南山城の古寺より)
■四天王(広目天、持国天) 国指定重要文化財 / 像高157.6~163.9cm / 平安時代
平安前期を思わせる量感たっぷりの文殊菩薩像
(南山城の古寺より)
■文殊菩薩規騎獅像 国指定重要文化財 / 像高57.3cm / 平安時代
どの仏像も藤原時代初期のもので大威徳明王さま以外は国指定重要文化財ですが、私は町指定である大威徳明王さまが一番好きかも知れません!
牛ではなく象に乗った大威徳明王像
(禅定寺ホームページより)
■文殊菩薩規騎獅像 宇治田原町指定文化財 / 像高60cm / 平安時代
何かを叫んでいるような象が可愛らしくて拍子抜けしてしまうあたりが魅力的です。
予定では1日目の見仏はこれで終了です、、、が、まだ時間があるので国宝の十一面観音さまがいらっしゃる観音寺へ行くことにしました。みんな疲れている事は承知の決行ですよ!
《禅定寺アクセス》
住所:〒610-0201京都府綴喜郡宇治田原町大字禅定寺小字庄地100
TEL:0774-88-4450
拝観料:400円
アクセス:京阪宇治駅から禅定寺前(京阪宇治交通バス)…約35分
JR山城青谷駅から国立病院バス停及び維中前乗換え禅定寺前(京阪宇治交通バス)…約30分
近鉄新田辺駅から維中前乗換え禅定寺前(京阪宇治交通バス)…約40分