永昌寺・滋賀県甲賀市「ぐるぐる衣紋が印象的な平安時代のお地蔵さま」
2012年の初の近江旅のレポートです。
金剛定寺を参拝した後は永昌寺にやって来ました!
金剛定寺の記事はこちら
★金剛定寺・滋賀県蒲生郡「音楽家のご住職と金剛定寺の仏さま♪」
永昌寺には、衣紋がぐるぐるオシャレなお地蔵さまがいらっしゃると聞いて、ずっとお会いしたかったのですが、昨年開催された「神仏います近江」の近代美術館会場でお会いする事ができたんです!
図録の表紙を飾る!さすがオシャレなお地蔵さま!
その時に、今度チャンスがあったらお寺でもお会いして、しっかりお参りしたいと思い拝観のお願いをしました。
永昌寺は甲賀市にあります。
甲賀と言えば、子供の頃に行った忍者屋敷(?)の影響で、ずっと忍者のイメージがありましたが、今ではすっかり仏像のイメージに変わってしまいました(笑)
そう簡単には行き尽くせないほど、甲賀にはお寺がたくさんありますよね。最澄が延暦寺を建立する時に、その用材を探しに甲賀へやって来たそうです。それから甲賀にもお寺がどんどん建てられ、永昌寺のお地蔵さまもその頃に造られたのだとか。
甲賀は奈良にも木材を提供しており、材木をイカダで川に流して奈良まで届けていたそうです。奈良の東大寺は甲賀の木を使っているそうですね。
そんな興味深い甲賀の歴史をご住職からたくさん教えていただきました。
お地蔵さまは、本堂とは別の収蔵庫にいらっしゃいました。美術館にいらした時よりも堂々と佇んでいるように見えました。
天神さまが仏さまの弟子にしてくださいと申し出た僧形神像のお姿とも言われているそうです。
■地蔵菩薩立像
国指定重要文化財 / 像高154、9cm / 平安前期
湖南市・善水寺の帝釈天さまと兄弟のように似ているとご住職がおっしゃっていましたが、後でお写真を見比べてみると、若々しくハリのあるお顔の特徴だけでなく、目鼻立ちなどの各パーツや衣文の入り方もそっくりでした!
仏像彫刻の天台様式を伝える同じ仏師さんによって造られたのでしょうか??
まるで双子のような地蔵菩薩像と帝釈天像
それにしても、お地蔵さまの衣文を見ているとぐるぐると目が回りそうです。
このお地蔵さまのオシャレのポイントは、うさぎの耳のような衣文…!
分かりますかね?
宝珠を持つ左手の付け根あたりにうさぎの耳(?)
横からお姿を見てみると、肉付きのよい逞しさにドキッとします。若々しく端正なお顔立ちで、とても美しいお地蔵さまでした。
※こちらは、2012年5月に更新された記事です(^人^)
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《永昌寺アクセス》
住所:滋賀県甲賀市水口町宇川1050
TEL:0748-63-1198
拝観料:300円(拝観予約)
アクセス:JR草津線「貴生川駅」下車 車 10 分
JR草津線「貴生川駅」下車 バス 10 分 宇川東バス停から徒歩5分