意足寺・福井県大飯郡「地域の人が大切にしている木目の美し千手観音像」
2011年の8月に京都北部~若狭・小浜方面を旅した時の記録です。
1日目は京都市内から綾部のお寺を巡り、宮津そして舞鶴までやって来ました!(佛南寺→安国寺→正印寺→金剛心院→禅海寺→ 知恩寺を参拝)
2日目は舞鶴市の多禰寺からスタートし金剛院→福井県入りして中山寺→おおい町の常禅寺→ 清雲寺を巡りました。
ついに2日目もラストとなりました。
大島半島をあとにして、次に向かったのは意足寺です。木目が大変美しい千手観音さまがいらっしゃると聞いて、とても楽しみにしていたお寺です。
「まぁ~暑い中こんな所までお越しくださいまして~」と、ご住職さまの和やかなお出迎えに心が温まりました。本堂の戸を開けて、風通しが良くなるようにとさらに扇風機を奥から出してきて、涼しい風を当ててくださいました。
ご住職さまはお話好きの気さくな方で、私がいつも持ち歩いているメモ帳の意足寺の欄には、他のお寺の3倍くらいの文字数が書かれていました。それだけご住職様が色々なお話をしてくださったという事です。
お目当ての千手観音さまは本堂とは別の収蔵庫にいらっしゃいます。
木目が美しい平安後期の千手観音像
■千手観音立像
国指定重要文化財 / 像高109cm / 平安時代後期 / 一木造
この観音さまの魅力は何と言っても美しい木目です。木目が合掌する手先まで続いており、肘から手先までも一木から彫り出されている事が分かります。
京都・平等院の有名な雲中供養菩薩(南25)とノミ使いが似ている事から、もしかしたら定朝の弟子が作者ではないか?と、学者さん達に言われているそうです。
一木造のお像でありながら、合掌する手とお腹が離れている事に注目すると、非常に技術力の高い仏師の作であるに違いないとご住職さまがおっしゃっていました。
観音さまについて色々お話をしていると近所の人が収蔵庫へ入って来ました。私のことを見て「知らない車が通ったからお客さんが来てると思って見に来たのよ。今日は若い人だわ~」そうおっしゃって、突然境内のお掃除を始めました。
「私がやらなくても、ああやって村の人がやってくれるんですよ…」と、おっしゃるご住職。
村の人々が「今年も健やかに過ごせたのは観音さまのお陰です」と、年末にお米を御供えにいらっしゃるそうです。意足寺の観音さまはずっと昔から村人の温かい心立ちで守られて来た仏さまであり、まるで地域全体が1つの大家族のようでした。
《意足寺アクセス》
住所:福井県大飯郡おおい町万願寺7-5
TEL:0770-77-10785
拝観料:志納
アクセス:JR小浜線若狭本郷駅から車で15分
JR若狭本郷駅から川上行き福鉄バス「万願寺」下車徒歩10分
※拝観には問い合わせが必要です
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
おはようございます。
こちらの千手観音さま、昔から地元の人に守られてきた
とのこと地域密着型の観音さまなんですねw
手(千手)の表現も柔らかく優しさを感じます。
momococksさん、いい見仏をつづけていますね。
うらやましいw
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
bonbonnoさん
いつもありがとうございます!
この観音さまのように、地元の人に愛されてる仏さまにグッときます^^
大きくて立派なお寺も好きですが、最近は地方のひっそりとしたお寺でご住職や管理人とお話しするのが好きです!まだ夏の見仏の途中なのですが気長に書いていきます・・・(汗))