妙楽寺 ・福井県小浜市「独特な雰囲気をもつ二十四面の千手観音さまに釘付け!」
2011年の8月に京都北部~若狭・小浜方面を旅した時の記録です。
1日目は京都市内から綾部のお寺を巡り、宮津そして舞鶴までやって来ました!(佛南寺→安国寺→正印寺→金剛心院→禅海寺→ 知恩寺を参拝)
2日目は舞鶴市からスタートし、福井県の大島半島を巡りました。
(多禰寺→金剛院→中山寺→常禅寺→清雲寺→ 意足寺を参拝)
3日目は再び大島半島の長楽寺→小浜市の 圓照寺を参拝しました。
圓照寺から妙楽寺へやって来ました!
妙楽寺のご本尊である千手観音さまの独特なオーラは、若狭のガイドブックに載っているお写真からも感じ取れてしまうほどのものでした。
小浜に行ったら必ずお会いしようと、ずっと前から決めていました。
妙楽寺に着いたのは11時過ぎでした。
拝観受付には誰もおらず、何度インターフォンを押しても応答なし。電話をしても一向に誰も出ません…
お留守のようでしたが窓が開いていたので、直ぐに戻って来るだろうとその場で待つ事にしました。
すると、奥の方から人がやって来て一安心!ここまで来て会えないのかと、もう少しで涙を流してしまうところでした(笑)
妙楽寺の伽藍は広く、小川に架けられた小さな橋を渡ると立派な仁王門がありました。
門をくぐり参道を抜けると、やがてお堂が見えて来ます。向かって左手に地蔵堂がありました。
静かに佇む半丈六の地蔵菩薩坐像
■地蔵菩薩坐像
福井県指定文化財 / 像高165、4cm / 平安時代末期
静寂な境内は、なぜかほんのり霧ががった様に見え、橋を渡り門をくぐった瞬間にガラッと空気が変わった様に感じました…
あの、ただならぬ不思議な感覚は今でも鮮明に覚えています。
そんな雰囲気を味わってしまったものですから、本堂に入るのにとても緊張してしまいました。ご本尊さまのお姿を拝むのに、こんなにも緊張した事はないかも知れません。
さぁ、ご対面!!!
独特な雰囲気を放つ二十四面の千手観音像
(若狭観音霊場パンフレットより)
■千手観音立像
国指定重要文化財 / 像高176、3cm / 平安時代中期(10~11世紀)
薄暗いお堂の中で、千手観音さまが私の目の前に現れた時、そのお姿があまりにも艶かしく生きているかの様に見えて、思わず「コワイ…」と、直感を声に出してしまいました。
恐る恐る近づいてお姿を見てみると、なんとお顔が二十四面の千手観音さまでした。十一面や九面や三面の観音さまは馴染みがありますが二十四面のお姿はめずらしいのではないでしょうか?
長年に渡り秘仏としてお祀りされていたせいか、金箔の美しいお姿が保たれていました。
その他、鎌倉時代の四天王さまや平安時代の聖観音さま、そして不動明王さまなどもいらっしゃいました。
裏側には、ご本尊が秘仏だった間に御前立ちとして祀られていた観音さまや、上を見上げれば小さな二十八部衆まで様々です。
華やかな渦紋が素敵な聖観音菩薩立像
(ポストカードより)
■聖観音立像
福井県指定文化財 / 像高161、5cm / 平安時代中期(10~11世紀)
今こうして、色々と振り返りながら記事を書いているうちに、もう一度千手観音さまに会いたくなって来てしまいました。いや、もう一度ではなく何度もお会いして、千手観音さまからお寺全体に染み渡るあの不思議なオーラは何なのか、ちょっと探ってみたくなりました。
《妙楽寺アクセス》
住所:福井県小浜市野代28-3
TEL:0770-56-0133
拝観料:400円
アクセス:JR小浜駅からJRバス井上行きで6分、野代下車、徒歩15分
小浜駅からレンタサイクルあり(3、7km)